インバウンド向け 地域連携型メディカルツーリズムを提供!

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京急電鉄では、新たな取り組みとして、沿線地域と一体となったインバウンド向けメディカルツーリズムに着手。2025年12月にモニターツアーを実施し、本格事業化を現在目指しています。一体、どのようなツアーなのか、どのような価値提供につながるのか、京急電鉄 新しい価値共創室 エリアマネジメント推進担当のKさんにお聞きしました。

―まずは、「メディカルツーリズム」とは何かについて、教えてください。

メディカルツーリズムとは、医療水準の高い国に行き、治療や検診などを受ける旅行形態のことです。観光と兼ねるケースもあり、先進医療が受けられる日本でも新たな観光資源の一つとして挙げられています。私たち日本人にとっては定期的に健診を受けるのは当たり前のことですが、世界には健康保険制度が整備されていない国も多く、日本の医療機関での人間ドックなどは海外の方にとても人気です。日本の医療は最先端かつサービスや環境のクオリティも高く、場所によっては驚くほどの高価でもすぐに予約が埋まってしまう…というケースもあります。

―そうしたなか、新たにメディカルツーリズムに参入しようと考えた背景や理由を教えてください。

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沿線に羽田空港をもつ私たちは、長年、インバウンド旅行客入国後初日に京急線には乗車いただけるものの都心や横浜方面に通過していってしまい、沿線に降り立っていただけていない点や、帰国直前の最終日やトランジット旅客が羽田空港中に留まってしまい、沿線への誘客に結び付けられていない点が課題であるとともにビジネスチャンスがあると考えていました。その中で、現在、出入国当日やトランジットの半日〜1日の時間に少しでも沿線で時間を使っていただくきっかけとなる京急線沿線コンテンツを造成に力を入れ始めています。その中で、大田区にある東京労災病院と協業機会があり、お話をするなかで、「羽田空港から一番近い総合病院」であり外国人観光客の受け入れに対して前向きであるものの、具体的にどうアプローチしたらいいかわからない…という課題が見えてきました。そこで、互いの強みを活かし、半日〜1日の沿線ツアーと医療を掛け合わせたメディカルツーリズムにトライしてみようということになりました。

―具体的にどのようなツアーなのでしょうか?

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2025年12月に実施したモニターツアーは、「人間ドックを気軽に受診する5時間コース」と「人間ドック・オーガニック料理昼食・天然温泉平和島入浴がパッケージとなった11時間コース」の2種類です。いずれも羽田空港発着のハイヤー移動で、ラグジュアリー感を演出しています。5時間コースでは、羽田空港朝発にて、人間ドックを受診し、羽田空港で正午すぎに解散します。10時間コースは、東京労災病院で人間ドックを受けた後、京急沿線にあるオーガニック料理教室「G-veggie」へ移動。先生に教わりながら調理体験をしたうえで健康志向の昼食をとり、その後、京急開発が運営する「天然温泉平和島」で日本の温泉文化を味わう…という盛りだくさんの内容になっています。本ツアーの最大の特徴は、通訳が同行すること。医療用語なども訳してもらえるので、安心感があります。

―モニターツアー参加者の反応や見えてきた課題についてお聞かせください。

モニターツアーは、中国、台湾などアジア圏からの参加者が中心でした。参加者の満足度は概して高かったですね。通訳がついていたので安心だった、オーガニック料理を食べるだけでなく調理体験もできレシピも学べた、自分の健康について見直すきっかけになった…といった声がありました。ただ、日本人であれば慣習的な健診前日の食事制限や健診中の流れ、衣服の着脱や異性の医師に診てもらうことへの抵抗感など、一部の検査では心理的なハードルを感じるシーンもあったようで、配慮が求められると感じました。

また、運用側としては、医療における言葉の壁の大きさをあらためて感じました。通訳がいるのでその場はいいのですが、事前の問診票や同意書類などをいかに記入してもらうか、後日、検査結果をいかに伝えるかなど、前後まで含めたフローの確立が課題として見えてきました。

―このツアーを通して、誰にどのような価値を提供できるのでしょうか?

一つは、日本で最先端の人間ドックを受けてみたい、日本ならではの未然に病を発見する文化を体感したい、ヘルシーな食生活や温泉文化を体験してみたい、という海外の方への価値提供です。羽田空港発着のため、出入国日やトランジットの半日〜1日を有効に使いたいというニーズにも応えられます。また、沿線地域への価値提供としては、地域へのインバウンドの呼び込みや受け入れ体制のサポートがあると考えています。また、健康志向、充実した医療、暮らしやすさといった沿線のイメージや認知度の高まりにもつながるのではないかと思います。価値提供だけに留まらず、価値共創とも考えています。地域と一体となったメディカルツーリズムは横展開が可能なので、沿線の他地域にも広げていける可能性があると考えています。

―今後はどのように事業を展開する予定ですか?

今回のモニターツアーは実証実験として無償で実施したのですが、現在、本格事業化に向けて調整を行っています。現在のところ、11時間コースは毎週木曜日に開催し、価格は50万円台程度、5時間コースは毎週月・火・金曜日に開催し、価格は40万円台程度に設定しています。いわゆる高級でラグジュアリーな医療機関の場合、1日100万円以上するケースもあるので、それに比べればお手頃ではありますが…やはり私たち日本人の感覚ではかなり高額です。どれほどの反響があるのか不安もありつつ、地域の事業者と協働し、地域一体でインバウンド旅行者の受け入れ体制を強化していく新しい挑戦に、大きな期待を寄せています。

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ポイント

沿線地域と一体となったインバウンド向けメディカルツーリズムに着手し、現在販売開始に向けて奮闘中!海外の方や地域への「価値提供」にとどまらず、地域と共に豊かな沿線づくりに取り組む「価値共創」で、沿線を盛り上げます!